東芝は、スマートフォンや車載カメラに搭載されるような小型イメージセンサで、大型イメージセンサ並みの画像を実現できる「無限高画質™」技術を開発したと発表しました。

ニュースリリースより

○本技術は、連続する複数枚の撮影画像を当社独自の高精度動き検出技術により順次処理することで、大型イメージセンサ並みの高感度でノイズの少ない画質を実現します。

○複数の画像を合成することで、ランダムに発生しているノイズが除去できるとともに、被写体の輪郭などは重ね合わることでより鮮明な画像にすることが可能です。

○本技術では、蓄積用の膨大なメモリを必要とせずに、撮影画像枚数を増やすことで高感度な大型イメージセンサ並みの画質を得ることが可能となります。

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今後の展望

当社は、今回開発した「無限高画質™」技術を、スマートフォン、タブレット、車載、監視、内視鏡などの各種カメラ撮像での実用化に向けて研究開発を進めていきます。

コメント

対象が、スマホや車載カメラ(ドライブレコーダー?)に搭載されている小型イメージセンサーということなので、一般的なコンデジよりもさらに小さなサイズのものでしょうね。

ニュースリリースをよく読むと、いわゆる「マルチショット」技術の一つだと思いました。

この「マルチショット」というのは、日本語でいうと「連射合成」かな。一気に複数の写真を撮って、そのデータを加工することでよりよい画像などを得られるという技術です。

この技術、確かに高感度時のノイズ低減にはかなり有効で、ISO6400とらいで撮っても、ぱっと見にはほとんどノイズを感じないくらいの仕上がりになったりします。

ちょっとイイ作例がないか探してみたら、ありました!

  「Nikon 1」から「STYLUS」まで最新デジカメの画質をチェック!(ASCII.jp)

※リンク先のページで一番下のあたりに画像があります。

ただし、「合成」するにはあまり「ブレ」ていない必要があるので、体育館でのスポーツシーンを撮るとかは向いてないけれど、風景とか静物とか、ちょっとしたスナップとかの用途にはいいという印象。

ということで、「内蔵メモリーが少なくでもOK」ということ以外には、とりたてて革新的な技術という感じは受けなかったのですが、たぶん手持ちでも暗いところでキレイに撮れるというメリットはあると思います。

ところでマルチショット技術は、さまざまなデジタルカメラで使われています。

たとえば、先日ご紹介した「OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II」のハイレゾショット

世界初の5段分5軸手ぶれ補正搭載「OM-D E-M5 Mark II」(OLYMPUS)

「40Mハイレゾショット」
 0.5ピクセル単位でセンサーを動かしながら16メガ の画像情報を8枚撮影
 そうして得られたデータを元に画像処理を行い40メガセンサー相当の高解像写真を取得

たとえば、2億画素を実現しているハッセルブラッドのマルチショット。

新製品 H5D CMOS マルチショット(ハッセルブラッド)

たとえば「シーンに合わせて、6枚の連写画像を重ね合わせるノイズ低減処理や、2枚の 連写画像を合成する逆光補正処理を自動で行う」というソニーの「プレミアムおまかせオート」とか。

「プレミアムおまかせオート」の真実は?

ちなみに、上のソニーの記事はかなり不評だったらしく、ほとんど「直帰率100%」というさんざんな結果でしたね。ソニーファンのみなさん、辛口記事なので読まない方がいいと思います~。

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