本格的に写真を撮っている方なら、「RAWで撮影」したことがあると思います。

「ある」どころか、「私はRAWでしか撮らない」というカメラマンもいますし、機種によっては「RAW撮影が基本」というのもあります。

何がそうかというと、シグマのDPシリーズなんかはそうですね。最近の機種だとJPEGでもそれなりに撮れるようですが、やっぱり「RAW撮影して一枚ずつ現像」というのが趣味としては楽しかったりします。

そういうスローな趣味がない方にも「RAW撮影」のメリットは、実はあります。

よく誤解されているのが「RAWは画質がいい」というのがありますが、必ずしもそうは断言できません。

なぜなら、JPEGについては、カメラメーカーが多くの開発費をかけて完成させた映像エンジンが使われています。特にノイズの低減についてはカメラメーカーの映像エンジンは実に優秀です。

そのため有名メーカーの画像処理ソフトで「RAW現像」を行っても、デジタルカメラで撮ったままのJPEGよりもノイズが多いということが多々あります。

じゃあ、「RAW撮影」のメリットは何かというと、ひとつはホワイトバランスが後から調整できることです。

室内で料理写真を撮ったりすると、なんだかセピアっぽい写真になったりしませんか?そういうときに、「RAW撮影」しておくと、あとから適切なホワイトバランスの写真が得られます。

もうひとつのメリットは何かというと、明るさやコントラストの調整がしやすいということがあげられます。

もちろん、JPEGで撮っても画像処理ソフトでトーンカーブをいじれば可能ですが、「RAW撮影」しておくと画像をあまり劣化させずに調整が可能です。

少々説明が長くなりましたが、そういう「RAW撮影」ができるコンパクトカメラをまとめてご紹介します。

なお、今回はいわゆる「ネオ一眼」などの大きなサイズのモデル以外で、比較的発売が新しいものをピックアップしました。


CASIO EXILIM EX-ZR3200
CASIO EXILIM EX-ZR3200

カシオから4月28日に発売されたばかりの「EX-ZR3200」です。

・1/1.7型CMOS(裏面照射型)
・有効1210万画素
・レンズ 25-300mm相当(12倍ズーム)
・108.3×61.5×36.7mm
・約249g(電池等含む)

自撮りに便利なフロントシャッターや、180度反転する液晶モニターを搭載。
多彩なメイクアップ設定で美肌効果もバッチリです。

ただし、けっこうな大きさと重さ。ポケットに気軽に入れておくというよりも、ケースに入れて肩から提げておくというのがいいかもしれません。

お値段は5万円台前半と、1型センサーモデルらしい価格。(2017-05)


Canon PowerShot G9X MARKII
Canon PowerShot G9X MARKII

キヤノンの1型コンパクトカメラの中で、最もコンパクトな「PowerShot G9 X Mark II」です。

・1.0型CMOS(裏面照射型)
・有効約2,010万画素
・レンズ 28-84mm相当(3倍ズーム)
・98.0×57.9×31.3mm
・約206g(電池等含む)

1型という比較的大きなセンサーを搭載していて、F2.0という明るいレンズなので暗いところに強いデジカメです。

ズーム倍率は3倍なので、遠くの物の撮影には向かないかもしれませんが、室内での「RAW撮影」には適していると思います。

センサーサイズの割にはコンパクトなので、持ち歩きにも不自由なく使えますね。

お値段は4万円台前半と発売直後だけあって、少々高めですね。(2017-05)


Panasonic  DMC-TX1
Panasonic DMC-TX1

パナソニックののルミックス「DMC-TX1」です。

・1.0型MOS
・有効2,010万画素
・レンズ 25-250mm相当(10倍ズーム)
・約110.5×64.5×44.3mm
・約310g(電池等含む)

こちらも1型センサー搭載モデル。

そして、広角25mmからの10倍ズームということで、かなりオールマイティに使えるモデルだと思います。

大きさ・重さは少しボリュームがありますが、コンパクトカメラの範囲内。

そして、大きな特長は秒間30コマ連写の連続した撮影ができるという「4K PHOTO」です。決定的瞬間を逃しませんが、「4K PHOTO」については「RAW撮影」ではないことも付け加えておきます。

もちろん、通常の撮影では「RAW撮影」が可能です。

お値段は6万円台前半と、1型センサーモデル+10倍ズームとしては納得。(2017-05)

実は、Panasinicには「DMC-LX9」というモデルもあります。

こちらは1型センサーで、F1.4という明るいレンズを搭載。ズーム倍率は24-72mm相当の3倍です。

ただし、「DMC-TX1」よりも販売価格は高めです。

参考 「Panasonic LX9」の販売価格 ※ネットショップにリンクしています


CASIO EXILIM EX-ZR4000
CASIO EXILIM EX-ZR4000

カシオの「EX-ZR4000」です。

・1/1.7型CMOS(裏面照射型)
・有効1210万画素
・レンズ 19-95mm相当(5倍ズーム)
・108.3×61.5×37.7mm
・約249g(電池等含む)

こちらのモデルも自撮りに便利なフロントシャッターや、180度反転する液晶モニターを搭載。
という説明よりも、現在のところ「自撮りナンバーワンモデル」だと思います。

カシオのデジタルカメラは、以前から自撮りに向いたモデルがたくさんあるのですけど、広角が19mm相当ということで周りの景色や一緒にいる人もバッチリ撮影。

もちろん、限界はありますけど、これだけ広角で撮れるコンパクトカメラは珍しい。

しかも、比較的大きなセンサーでレンズも優秀。望遠側もそこそこ撮れるというモデルなので個人的にもほしいデジタルカメラです。

ただし、なぜか「RAW撮影」だと19mm相当で撮影できないという謎仕様となっています。※超広角の歪曲をデジタル補正しているからかもと想像

お値段は4万円くらいと、比較的落ち着いてきました。(2017-05)


OLYMPUS STYLUS TG-4 Tough
OLYMPUS STYLUS TG-4 Tough

オリンパスの「STYLUS TG-4 Tough」です。

・1/2.3型CMOSセンサー
・有効1600万画素
・レンズ 25-100mm相当(4倍ズーム)
・111.5mm×65.9mm×31.2mm
・247g(電池等含む)

このカメラの特長は、何と言っても「タフ性能」。

メーカー自ら「タフカメラの頂点に立つTG-4誕生」とうたっているくらいですが、それほど大げさな表現でもないと思います。

「防水15m」「防塵」「高さ2.1mの落下テストをクリア」「100kgfの荷重に耐えられる構造」「耐低温-10℃」というスペック。

さらに、明るいF2.0レンズを搭載しています。

そして、もうひとつ大きな特長があって、それは「顕微鏡モード」と呼ばれるマクロ撮影。

この機能を十分に発揮するためには、オプションのLEDライトガイド「LG-1」を購入する必要がありますが、水中撮影をしないという方にも使い勝手があるフィールドカメラだと思います。


まとめ

カシオ「EX-ZR3200」やや大きいけれど12倍ズームレンズを搭載。自撮りにも向くモデル。

キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」一般的な撮影に高い性能を発揮。特に弱点がないモデルで暗所に強い。

パナソニック「DMC-TX1」1型センサー搭載で10倍ズーム。4Kフォトも撮影できるオールマイティモデル。

カシオ「EX-ZR4000」広角19mmからスタートというのは、とても便利。今まで撮れなかった写真が撮れるかも?

オリンパス「STYLUS TG-4 Tough」2015年の発売でやや旧いモデルだけど、タフ性能はピカイチ。

こうしてみると、「RAW撮影」ができるコンパクトカメラって、単に高価格なだけでなく、それぞれに特長があるように思いました。

購入される方は、用途に合わせて上手にチョイスしてくださいね。

関連記事 RAW記録ができるコンデジまとめ2019

おすすめの記事