スマートフォンの登場で、デジタルカメラの売り上げが落ちているそうです。
メーカーの方も、「安いカメラはスマートフォンにとって代わられる」と、おっしゃっているとか。
携帯電話のカメラは、登場したころは性能が低くて、デジカメと比べるとかなりの差がありました。
「何万画素」というスペックもそうですし、「光学ズーム」もそうですし、何より実際の写真にはかなりのがあったと思います。
でも、最近のスマートフォンは、性能が上がっていてデジカメ代わりに使えるという話です。
それで、いろいろ調べてみて、最近話題になっているサイトをみつけました。
How does the iPhone 4S camera stack-up against other cameras?
リンク先のページには、次のような写真が掲載されています。
iPhone
iPhone 3G
iPhone 4S
Canon S95
Canon 5DMKII + 100mm f/2.8
実は、他にも掲載されているのですが、詳しくは上のリンク先でご確認ください。
(※画像と名前の順番を、リンク先とは変えています。当サイトのいつもの順番に合わせました)
リンク先の記事は、iPhone 4S のカメラで撮った画質の良さをアピールしたいのかなと思いますが、実際に画像をご覧になっていかがでしょう?
ぱっと見た印象では、iPhone 4S は、以前の機種から格段に進歩しているように感じられるのでは?
また、iPhone 4S で撮影したの画像は、キヤノンの「PowerSHot S95」に匹敵する画質だと感じませんか?
確かに、これら画像ではそう思っても不思議ではないように感じますが、少し気になることもあります。
まず、リンク先に掲載してある画像の大きさは、多少のサイズの違いはありますが「800×600 ドット」程度です。
いわゆる画素数を表示するなら、たったの48万画素にすぎません。
これでは、等倍で確認するような細かいディテールはほとんど判別できないと思います。
余談ですが、一昨日「カメラのキタムラ」で写真を何枚かプリントしました。
コンパクトデジタルカメラで撮影したものとミラーレス一眼で撮ったものと、デジタル一眼レフで撮ったものとがありましたが、画質にはほとんど差がないように感じました。
むしろ、光の状態とか、カメラの設定の方が影響は大きかったように思います。
ということで、「800×600 ドット」程度で48万画素くらいだと、コンデジであろうがiPhonであろうがミラーレスであろうが一眼レフであろうが、ほとんど差はないと思います。でも、L版ではなく大きく引き伸ばしてプリントしたらどうでしょうか?また、PCのモニターで、等倍鑑賞したらどうでしょうか?
次に、最初の二つの画像-iPhonとiPhon3Gの画像-よりもiPhon4Sの方がクッキリ写っているので、やっぱり48万画素といっても差は出るのでは?そう思われる方もいらっしゃると思います。
でも、iPhonとiPhon3Gの画像って、ピントが合ってますか?ピンボケ写真とピントが合っている写真とを比べるのは適切でないように思います。
仮に、もしもiPhonとiPhon3Gのカメラではピントが合わないよ、そういうことならピントが合う距離で撮影した画像をとりあげるべきではないでしょうか?
(どんな距離からもピントが合わないということであれば、その個体の故障ではないでしょうか?)
まだ、気づきはあるのですが、出かけますので続きは後で書きます。
興味があれば、読んでくださいね。
続き
以前のiPhonで撮影した写真のピントが合ってない件ですが、実は、オートフォーカス機能がないらしいということが分かりました。
オートフォーカス機能が搭載されたのは、iPhon3GSからです。
でも、それでは以前のものが、ピントの合っている写真が撮れないというわけではありません。
「パンフォーカス」といって、ある程度以上の距離にあるものなら、ピントが合っている写真が撮れます。
たとえるなら、「レンズ付きフィルム」なんかがこの仕組みを使っていますね。
少し離れて人物を撮影したり、風景写真を撮るならそれほど問題にはならないと思います。
ただ、マクロ撮影は苦手だと思うので、どうしてそういう写真を選んで掲載したのかは疑問ですね。
また、被写体の写っている角度にも注目です。
「鍵」と、背景の「床と壁との境目」に注目してみてください。
iPhonはかなり床に近い高さから写していることが分かると思います。
もしかすると、被写体までの距離もかなり違うのかな?
これではカメラの描写性能を比較するのに適切とは言い難いと思います。
それでも、Canon 5DMKII + 100mm f/2.8 で写した写真は背景が大きくボケでいて、「高級レンズ+一眼レフ」の本領発揮です。
なお、iPhon4Sにおいても、「光学手ぶれ補正機能」は搭載されていません。
手ぶれしやすい条件での撮影では、差が出る可能性があると思います。
ということで、リンク先の画像をパッと比べただけで、「デジタルカメラの代わりになる」と思ったとしたら、早計かもしれませんね。