キヤノンは、レンズ交換式デジタルカメラ(デジタル一眼レフカメラおよびミラーレスカメラ)の世界市場において、2003年から2014年までの12年連続で台数シェアNo.1を達成したことを発表しました。

ニュースリリースより

○キヤノンは、レンズ交換式デジタルカメラのキーデバイスであるCMOSセンサー・映像エンジン、および交換レンズを独自開発。

○黎明期におけるデジタル一眼レフカメラとして、画期的な小型・軽量と低価格を実現したエントリーモデル「EOS Kiss Digital」を発売し、市場拡大のきっかけを作るとともに圧倒的世界シェアNo.1を獲得。

○その後もプロ向けのEOS-1Dシリーズや、フルサイズセンサーに動画撮影機能を搭載し、デジタル一眼レフカメラによる動画撮影を普及させた「EOS 5D」シリーズなど、エポックメイキングな製品を提案し続けてきました。

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上のニュースリリースに、シェアNo.1を獲得したきっかけとして「EOS Kiss Digital」を発売したことをあげています。

個人的にも「Kissシリーズ」の圧倒的シェアは知っていたので、それなりに興味がありました。それで、この機会に、いったいどれくらいのシェアがあったのかをリサーチしてみました。

市場シェアを調べるのに最適だと思うのは、有名なBCNランキングです。

このBCNランキングとは、「大手家電量販店のPOSデータを集計した実売データによるランキング」です。ネット上には、各種通販の販売台数が掲載されたサイトが幾つかありますが、今もって店舗での販売台数は多いので、信頼性が高いと判断しました。

2009年 デジタル一眼レフカメラ 販売台数シェアから

 ・1位 EOS Kiss X3  15.9%
 ・2位 EOS Kiss X2  13.2%
 ・18位 EOS Kiss F   1.6%

 合計 EOS Kissシリーズ 30.7%

2010年 デジタル一眼レフカメラ 販売台数シェアから

 ・1位 EOS Kiss X4  13.6%
 ・3位 EOS Kiss X3   9.2%
 ・16位 EOS Kiss X2  1.5%

 合計 EOS Kissシリーズ 23.8%

2011年 デジタル一眼レフカメラ 販売台数シェアから

 ・2位 EOS Kiss X4   8.3%
 ・3位 EOS Kiss X5   8.0%
 ・19位 EOS Kiss X3   1.6%

 合計 EOS Kissシリーズ 17.9%

2012年 デジタル一眼レフカメラ 販売台数シェアから

 ・1位 EOS Kiss X5  22.3%
 ・6位 EOS Kiss X4   5.0%
 ・7位 EOS Kiss X6i  4.8%
 ・10位 EOS Kiss X50  3.7%

 合計 EOS Kissシリーズ 35.8%

2013年 デジタル一眼レフカメラ 販売台数シェアから

 ・1位 EOS Kiss X5  14.5%
 ・5位 EOS Kiss X6i  7.5%
 ・8位 EOS Kiss X7   4.6%
 ・9位 EOS Kiss X50  3.8%
 ・17位 EOS Kiss X7i  1.6%

 合計 EOS Kissシリーズ 32.0%

以上、過去の「Kissシリーズ」のシェアを調べてみましたが、多い年には35.8%ものシェア。これは、全体の1/3を超えていますね。

キヤノンには、これ以外にも「EOS 70D」などのいわゆる二桁機とかAPS-Cのフラッグシップの「EOS 7D」とか、フルサイズ機の「5D」「6D」そしてフラッグシップの「1D」などもあります。

また、レンズ交換式という幅広いジャンルでいうと「EOS M」もありますね。

それらの販売台数を合わせれば、シェアNo.1というのも納得ですね。

なお、昨年10月末に「EOS 7D MK2」が発売されたのに加えて、今年は「EOS 5Ds」「EOS 5Ds R」「EOS 8000D」「EOS Kiss X8i」、そして「EOS M3」が発売されました。

これだけの機種が半年足らずの間に次々と発売されたわけですから、今もキヤノンのレンズ交換式カメラはおそらく世界シェアNo.1でしょう。

さらにいうと、連続世界シェアNo.1の記録更新は、ほぼ間違いないと思います。ただ、14年連続になるかどうかは最大のライバルであるニコンの動向や、ミラーレスのシェアNo.1のオリンパスの動向にも関係しそうですね。

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