追記 ネオ一眼のまとめ2017をアップしましたので、そちらも併せてご覧ください。
昨年も、1型など大きなセンサーを採用したデジカメが増えてきました。
いわゆる「ネオ一眼」という高倍率ズームの機種にも大型センサーのモデルが登場しています。
一方で、高倍率化はますます進み、50倍以上のズームというのも珍しくなくなってきました。
そこで、今年も画質のよいモデルや特長のある「ネオ一眼」についてまとめてみました。
なお、製品画像はネットショップのものを使っている関係で、実際の大きさを反映しておりません。あらかじめ、お知らせしておきます。
また、基本的に「シリーズ最新モデル」のみ掲載していますので、ネオ一眼のまとめ2015も、併せてごらんになると参考になるかもしれません。
※センサーサイズについては、デジタルカメラのセンサーサイズをご参照ください。
Cyber-shot HX400V
まずは、2014年2月12日に発売のソニー「Cyber-shot HX400V」です。
主なスペック
・広角24mm-望遠1200mm相当 光学50倍ズーム
・解放F値 F2.8-6.3
・1/2.3型CMOS 有効約2040万画素
・モニター 3.0型 約92.1万ドット チルト式液晶
・電子ファインダー 約20.1万ドット
・連射 約10枚/秒(最大10枚まで)
・大きさ 129.6 x 93.2 x 103.2mm
・重さ 約660g(電池等含む)
発売が約2年前ということで、モデルとしてはやや旧いのですが、現在でも通用するスペックです。
特長としては、前方の大きいズームレンズ群を動かすことで広い補正エリアを実現したこと。メカニカルシャッターで、秒間10コマの高速連写ということでしょうか。
また、現在では数少ない「マニュアルズーム」(電動ズームではなくリングの操作でズーム)に対応しているモデルです。
ただ、電子ファインダーが「約20.1万ドット相当」というのは、他のモデルと比べて気になるところでしょうか。
現時点でのお値段は、4万円台の前半といったところ。
※2016-02-21
現在の価格
SONY Cyber-shot HX400V(Amazon)
LUMIX DMC-FZ1000
続いて、2014年7月17日に発売のパナソニック「LUMIX DMC-FZ1000」です。
主なスペック
・広角24mm-望遠400mm相当 光学16倍ズーム
・解放F値 F2.8-4.0
・1型MOS 有効2010万画素
・モニター 3.0型 約92万ドット バリアングル液晶
・電子ファインダー 約236万ドット
・連射 約12コマ/秒(AFS時) 約7コマ/秒(AFC時)
・大きさ 約136.8 x 98.5 x 130.7mm
・重さ 約831g(電池等含む)
こちらも2014年7月の発売ということで、少々旧いモデルとなります。
特長としては、大型の1型センサーを搭載し、大きなボケと良好な高感度画質を実現していること。
望遠時の解放F値が4.0ということもあって、体育館などの室内撮りにも強いモデルです。
ただ、大型センサー搭載の機種は他のメーカーのものもそうなのですが、ズーム倍率は控えめです。光学16倍ズームというのは、用途によってはもう少しズームできれば、と思うことがあるかもしれません。
また、このモデルの大きな特長としては、4K(3840×2160)動画撮影に対応していること。
レンズ一体型デジタルカメラとしては世界で初めて対応したモデルです。
ということで、もちろん4Kフォトで、一瞬の動きにも対応できますが連射性能もなかなかのもの。
パナソニックのこうしたモデルは、総じて動作が軽快です。
すぐにピントが合うことに加え、連射後に再び連射するときも待たされ感を感じませんでした。
いわゆる「サクサク撮影」ができるモデルです。
画質は、もっと大型のセンサーを搭載したミラーレスやデジタル一眼レフには及びませんが、ピクセル等倍でなければほとんど違いを感じないくらいです。
むしろ、露出バランスやオートホワイトバランスが良好で、全体としてはレタッチなしで「使える」画質という印象でした。
現在の価格は、5万円台の前半といったところ。
その実力からすると、ずいぶんお買い得なモデルだと思います。
現在の価格
PENTAX XG-1
ペンタックスからは、2014年8月8日に発売の「PENTAX XG-1」です。
昨年も、そして一昨年もご紹介させていただいたのですが、ペンタックスからはこれ一台のみなのであらためて。
主なスペック
・広角24mm-望遠1248mm相当 光学52倍ズーム
・解放F値 F2.8ーF5.6
・1/2.3型 CMOSセンサー 有効1600万画素
・モニター 3.0型可動式 約46万ドット
・電子ファインダー 約20万ドット
・連射 9コマ/秒 高速連写約30コマ/秒(記録画素数4M) など
・大きさ 約119×89×97.5mm
・重さ 約567g(電池等含む)
光学52倍ズーム、しかも9コマ/秒の連写と、スペックは十分。
気になるところは、電子ファインダーが約20万ドットというところでしょうか。
お値段の安さもあって気軽に、でも比較的オールマイティに使える「ネオ一眼」だと思います。
写りについては、公式サイトの作例をごらんください。なかなか美しいイメージの写真が掲載されています。
現在の販売価格は、2万円台といったところですが、そろそろ販売しているショップが少なくなりつつあるようです。
現在の価格
PowerShot SX60 HS
こちらも昨年ご紹介したモデルですが、2014年9月16日に発売のキヤノン「PowerShot SX60 HS」です。
「PowerShot」には、「G」シリーズのものが昨年発売されていますが、「SX」シリーズとしては最新モデルになります。
主なスペック
・広角21mm-望遠1365mm相当 光学65倍ズーム
・解放F値 F3.4-6.5
・1/2.3型(裏面照射型)CMOS 有効約1610万画素
・モニター 3.0型 約92.2万ドット バリアングル液晶
・電子ファインダー 約92.2万ドット
・連射 通常:約6.4枚/秒
・大きさ 127.6×92.6×114.3mm
・重さ 約650g(電池等含む)
あらためて記事を書いてみて、このモデルの特長を振り返ってみると、広角側が「21mm相当」ということがあげられると思います。
「ネオ一眼」は、望遠側だけでなく、広角側も「24mm相当」と広いズーム域を持っているモデルが多いのですが、それを越える広角で撮影できるモデルはごく少数です。
このモデルの他にはパナソニック「LUMIX DMC-FZ70」が「20mm相当」ですが、他にはこうした広角撮影に対応したモデルはなかったように思います。
映像エンジンは、最新の「DIGIC 6」を搭載しており、キヤノンがこのモデルに力を入れて開発したことが想像できます。
特に大きな気になる点はないモデルなのですが、しいてあけげるなら解放F値が広角側でも3.4と、それほど明るくないこと。ただ、F2.8とかを実現しようとすればズーム倍率を下げるか大きく重くなるかのトレードオフになると思うので、これはこれでいいのかもしれませんね。
現時点でのお値段は、4万円台半ばといったところで、昨年と大きな違いはないようです。
現在の価格
Canon PowerShot SX60 HS(Amazon)
FinePix S9900W
富士フイルムからは、2015年2月26日に発売の「FinePix S9900W」です。
昨年も書きましたが、実は、「ネオ一眼」という名前は富士フイルムがこうした一眼レフのような形のデジタルカメラに使ったネーミングです。
そういう意味では、富士フイルムのモデルこそ真の「ネオ一眼」と呼べるのかもしれませんね。
主なスペック
・広角24mm-望遠1200mm相当 光学50倍ズーム
・解放F値 F2.9-6.5
・1/2.3型CMOS 有効約1620万画素
・モニター 3.0型 約46万ドット
・電子ファインダー 約92万ドット
・連射 10コマ/秒 連続10コマまで
・大きさ 122.6×86.9×116.2mm
・重さ 約670g(電池等含む)
富士フイルムは、デジタルカメラが一般に普及しはじめた頃に、オリンパスとともに高いシェアを誇っていたメーカーです。
そのころのブランドは、言うまでもなく「FinePix」。
ところが、現在ではこのブランドのデジタルカメラは、わずか二機種しか販売されていません。
この「FinePix S9900W」と、防水デジカメの「FinePix XP90」のみとなっています。
これは、富士フイルムが、より画質を重視した「Xシリーズ」に軸足を移しているためで「大型センサー」「単焦点レンズ」といったモデルが幾つか出されています。
さて、今回の「FinePix S9900W」についてですが、昨年ご紹介した「FinePix S1」とスペック表ではさほど違いがありません。
ただし、細かく見ていくと、微妙にスペックダウンしていることが分かります。
・「防塵・防滴構造」 → なし
・バリアングル液晶 → 固定式に
・RAW形式での保存が可能 → jpegのみ
・液晶モニター92万ドット → 46万ドット
などです。レンズの明るさもわずかですがスペックダウンしていて、微妙な結果。
どちらとも言えないのが、電源が専用電池から単三電池になったことで、低コストになるとともに歓迎する方も少なくないと思います。
また、スペックアップした点としてはフルHDでの動画撮影時間があります。
・連続最大 約15分まで → 約29分まで
ということで、コストを抑えつつ、多少のテコ入れをしたという感じですね。
公式WEBサイトには、サンプル画像が掲載されていますので、画質についてはそちらをご参照ください。富士フイルムらしい発色のいい画像だと思いました。
と、ここまで書いてサンプル画像が掲載されているページにアクセスすると、次のお知らせが赤字で示してありました。
本製品は生産終了いたしました
ちょっとショックなんですが、もしかするとこれが最後の「ネオ一眼」なのかもしれません。
お値段は現在、2万円台といったところ。
現在の価格
COOLPIX P900
光学83倍ズームということで話題になった、2015年 3月19日に発売のニコン「COOLPIX P900」です。
いわゆる「ネオ一眼」のズーム倍率は、もはや50倍とか60倍ズームがあたりまえと行った状況ですが、さすがに83倍ズームというのはこの機種だけです。
ズームのすごさは、さまざまなYoutubeで紹介されていますが、その中の一つが下の動画(1:05)です。
ここまで遠くのものを写すことができるのかと、あ然としました。
主なスペック
・広角24-望遠2000mm相当 光学83倍ズーム
・解放F値 F2.8-6.5
・1/2.3型CMOS 有効約1605万画素
・モニター 3型 約92万ドット バリアングル液晶
・電子ファインダー 約92万ドット相当
・連射 約7コマ/秒 連続7コマまで
・大きさ 139.5×103.2×137.4mm
・重さ 約899g(電池等含む)
かなり大きくて重量のあるデジタルカメラですが、これだけの高倍率ズームに魅力を感じたなら、他に選択肢はないと思います。
お値段は現在、5万円台といったところ。
現在の価格
PowerShot G3 X
2015年度「グッドデザイン賞」受賞製品で、2015年6月25日に発売のキヤノン「PowerShot G3 X」です。
主なスペック
・広角24mm-望遠600mm相当 光学25倍ズーム
・解放F値 F2.8-5.6
・1型MOS 有効約2,020万画素
・モニター 3.2型 約162万ドット チルト液晶
・電子ファインダー なし
・連射 約5.9枚/秒
・大きさ 123.3×76.5×105.3mm
・重さ 約733g(電池等含む)
1型という大型のセンサーを使いながら、光学25倍ズームというのが大きな特長だと思います。
液晶モニターの、約162万ドットというのも、他にはあまりないくらいの高精細さ。
電子ファインダーは搭載されていませんが、純正オプションで「電子ビューファインダー EVF-DC1」の取り付けができます。
また、「防塵・防滴構造」というのも、フィールドで使うことの多いこうした機種にとってはメリット大だと思います。
お値段は現在、8万円台といったところ。
現在の価格
DSC-RX10M2
最初に1型センサーを搭載した「ネオ一眼」の2代目モデル、2015年8月7日に発売のソニー「DSC-RX10M2」です。
スペック
・広角24mm-望遠200mm相当 8.3倍ズーム
・レンズ 全域F2.8
・1.0型(13.2mm x 8.8mm) CMOSセンサー 約2020万画素
・モニター 3.0型(4:3) チルト式液晶 約122.9万ドット
・電子ファインダー 144万ドット
・連射 速度優先連続撮影時: 最高約14コマ/秒
連続撮影時: 最高約5コマ/秒
・大きさ 129.0 x 88.1 x 102.2mm
・重さ 約813g(電池等含む)
前モデルから大きな変更はないようですが、幾つか改良点があります。
・シャッター速度最高
1/3,200秒 → 1/32000秒
晴天野外でも絞り解放で撮影が可能
・連射 最高約10コマ/秒 → 最高約14コマ/秒
・4K動画に対応
・電子ファインダー
144万ドット → 235万ドット
などです。
大きく重いデジタルカメラですが、レンズの優秀さもあって画質のよさはかなりのものだと思います。
お値段は現在、14万円台といったところ。
現在の価格
SONY Cyber-shot RX10 II(Amazon)
LUMIX DMC-FZ300
今回のラストにご紹介するのは、2015年9月17日に発売のパナソニックの「LUMIX DMC-FZ300」です。
主なスペック
・広角25mm-望遠600mm相当 光学24倍ズーム
・解放F値 全域F2.8
・1/2.3型MOS 有効1210万画素
・モニター 3.0型 約104万ドット
・電子ファインダー 約144万ドット
・連射 約12コマ/秒(AFS時) 約6コマ/秒(AFC時)
・大きさ 約131.6 x 91.5 x 117.1mm
・重さ 約691g(電池等含む)
この機種、最大のライバルは同じパナソニックの「LUMIX DMC-FZ1000」ではないかと思います。
どちらも、4K動画の撮影に対応したモデルです。
しかし、かたや「1型センサー」そしてこちらは平凡な「1/2.3型」ということで、当然「LUMIX DMC-FZ1000」のほうが上位機種となっています。
ですが、FZ300のほうが上回っているところも幾つかあります。
・防塵・防滴設計
・より小型軽量
・タッチパネル液晶
・望遠側が400mm(FZ1000)に対して600mm(FZ300)ある
・F値が望遠側でF4(FZ1000)に対して全域F2.8(FZ300)と明るいレンズ
液晶モニターの画素数も、若干ですが(92万と104万)、FZ300のほうが上回っています。
画質については、明るいところだとさほど違いはないというのがネット上の評判。
そのためか、発売から半年近くたつのに、未だにFZ1000よりもFZ300の方が価格が高いという現象が続いています。
現在の価格は、5万円台の前半といったところ。
前モデルのFZ200は、長いこと中古でも2万円台をキープしており、長く使えるモデルのように思います。