キヤノンは、スリムボディにレンズシフト式手ブレ補正機構(IS)を備えた光学8倍ズームレンズ搭載の「IXY 160」を発表しました。

ニュースリリースより

ixy160

発売日 2015年7月31日

ボディカラー レッド/シルバー

価格 オープン価格

主な特長

○「IXY 150」(2015年2月発売)の後継機種
○光学8倍ズームを継承しながらレンズシフト式手ブレ補正機構を搭載
○薄型・軽量ボディー
○光学8倍ズームレンズと高精細CCDセンサーを搭載

主な仕様

・センサー 1/2.3型CCD 約2,050万画素
・レンズ 28-224mm相当 F3.2-F6.9
・感度 ISO 100-1600
・液晶モニター 2.7型 約23.0万ドット 視野率:約100%
・連射 通常:約0.8枚/秒
・動画 ハイビジョン:1280×720(25fps:約15Mbps) モノラル音声
・撮影可能枚数 約220枚
・大きさ 95.2×54.3×22.1mm
・重さ 約127g(電池等含む)

公式サイト Canon IXY 160

コメント

今回、キヤノンのニュースリリースを読んでみて、「あれっ?」と思ったことが一つあります。

キヤノンは、持ち歩きやすいポケットサイズのスリムボディーにレンズシフト式手ブレ補正機構(IS)を備えた光学8倍ズームレンズ搭載のコンパクトデジタルカメラ“IXY 160”を2015年7月31日より発売します。

それは、「手ブレ補正」のこと。今さらアピールするほどの技術でもないでしょう?と思いつつ、念のため前機種の「IXY 150」を調べてみました。

すると意外なことに、「手ブレ補正機構」の記述がありません!

どうやら、今回発表の「IXY 160」は、前機種「IXY 150」に手ブレ補正機構を追加した機種のようです。

機種名 IXY 150 IXY 160
発売日 2015年2月 2015年7月
センサー 1/2.3型CCD 1/2.3型CCD
 約1,600万画素  約2,000万画素
映像エンジン DIGIC 4+ DIGIC 4+
感度(ISO) 100-1600 100-1600
手ぶれ補正(静止画) 光学手ブレ補正(IS):約2.5段分
レンズ(換算) 28-224mm (光学8倍ズーム) 28-224mm (光学8倍ズーム)
F3.2-6.9 F3.2-6.9
液晶モニター 2.7型 約23.0万ドット 2.7型 約23.0万ドット
連射(1秒間) 通常:約0.8枚/秒 通常:約0.8枚/秒
動画記録 1280×720(25fps) モノラル録音 1280×720(25fps) モノラル録音
内臓メモリー
撮影可能枚数 約220枚約300枚(エコモード時) 約200枚約260枚(エコモード時)
大きさ 95.2×54.3×22.1mm 95.2×54.3×22.1mm
重さ(電池等含む) 約127g 約127g

いつもの仕様表ですが、「大きさ」「重さ」は、0.1mmも違わないし1gも違いません。

ただ、手ブレ補正機構を動かすためか、新機種「IXY 160」は撮影可能枚数が、やや少なくなっています。

それで、上の表だけですと、順当に進化したような感じです。

ですがさらに前の機種「IXY 130」と比べてみましょう。
(※「IXY 140」は上位機種で、たぶん「IXY 170」の元になった機種)

機種名 IXY 130 IXY 160
発売日 2014年8月 2015年7月
センサー 1/2.3型CCD 1/2.3型CCD
 約1,600万画素  約2,000万画素
映像エンジン DIGIC 4+ DIGIC 4+
感度(ISO) 100-1600 100-1600
手ぶれ補正(静止画) 光学手ブレ補正(IS):約2.5段分 光学手ブレ補正(IS):約2.5段分
レンズ(換算) 28-224mm (光学8倍ズーム) 28-224mm (光学8倍ズーム)
F3.2-6.9 F3.2-6.9
液晶モニター 2.7型 約23.0万ドット 2.7型 約23.0万ドット
連射(1秒間) 通常:約0.8枚/秒 通常:約0.8枚/秒
動画記録 1280×720(25fps) モノラル録音 1280×720(25fps) モノラル録音
内臓メモリー
撮影可能枚数 約210枚約280枚(エコモード時) 約200枚約260枚(エコモード時)
大きさ 95.2×54.3×22.1mm 95.2×54.3×22.1mm
重さ(電池等含む) 約130g 約127g

すると、不思議なことに手ブレ補正機構は搭載されています。しかも、「2.5段分」という効果の高さもいっしょですね。

大きな違いは、「1600万画素」から「2000万画素」へと画素数が増えたこと。

ただし、どちらが高画質かというと・・・。判断はこの記事をお読みになっているみなさんに、お任せしたいと思います。(過去記事をお読みになったら個人的な考えは分かると思います)

ということで、今回登場の「IXY 160」は、前機種で搭載が見送られた「手ブレ補正機構」が復活した機種のようです。もちろん、手ブレ補正機構はあったほうが便利だと思いますし、キヤノンの「レンズシフト式」は優秀だと思いますよ。

追記

「IXY 160」のスリムさというか、厚さ「22.1mm」というのは実は2011年に発売されてベストセラーとなった「IXY 600F」と全く同一スペックです。広角28mmからの8倍ズームというのも一緒。

なぜ、そんな昔の機種のことまで……と思われるかもしれませんね。実は、「IXY 600F」は個人的に気に入って、一時期は一番使用頻度の高かったデジカメなのです。

何と言っても、ポケットに無理なく入るスリムさや軽さに加えて、暗いところにも比較的強くフルハイビジョンで動画も撮れる万能さ。しかも、ステレオ音声。後継機種の「IXY 610」とか「IXY 620」はさらに高画質で広角にも強くなっていて、現在は「IXY 620」を使っています。

ということで、「元祖22.1mm 8倍ズーム」というスペックの「IXY 600F」と、比べてみました。

機種名 IXY 600 IXY 160
発売日 2011年9月 2015年7月
センサー 1/2.3型 CMOS(裏面照射) 1/2.3型CCD
 約1,210万画素  約2,000万画素
映像エンジン DIGIC 4 DIGIC 4+
感度(ISO) 100-3200(拡張6400) 100-1600
手ぶれ補正(静止画) レンズシフト式 光学手ブレ補正(IS):約2.5段分
レンズ(換算) 28-224mm (光学8倍ズーム) 28-224mm (光学8倍ズーム)
F3.0-5.9 F3.2-6.9
液晶モニター 3.0型 約46.1万ドット 2.7型 約23.0万ドット
連射(1秒間) 通常:約3.5枚/秒(約8.7枚も可能) 通常:約0.8枚/秒
動画記録 1920×1080(24fps) ステレオ録音 1280×720(25fps) モノラル録音
内臓メモリー
撮影可能枚数 約210枚 約200枚約260枚(エコモード時)
大きさ 95.8×56.8×22.1 mm 95.2×54.3×22.1mm
重さ(電池等含む) 約140g 約127g

上の表を見てお分かりだと思いますが、「大きさ」「重さ」は新機種「IXY 160」のほうがスリムで軽いという結果です。
(大きさは、コンマ何ミリかという小さな差ですけど)

しかし、「高感度」「レンズの明るさ」「液晶モニターの細密さ」「連射性能」「動画撮影」など、多くの点で「IXY 600F」の圧勝ともいえそうな結果と分かりました。

今思えば、数年前のこのクラスは、進歩が著しく夢のある時代だったような機がします。(※個人的な感想)

ただ、現在はもう少し上のクラスの「高級デジカメ」に各社とも力を入れているという印象ですので、気になる方はそういつた機種を検討されるといいかもしれません。

追記(2015-8)

「IXY 160」が、7月末に販売されて、価格はいくらくらいになったかなーといつものAmazonで見てみました。

すると、びっくり!

何にビックリしたかというと、それがまあ、二つもあります!

ひとつはAmazonのサイトって、カテゴリごとに「ベストセラー1位」というのが表示されるのですが、この「IXY 160」が、1位になっていたこと。

それはまぁ、キヤノンの新製品だし、IXYだし分からないでもないかなーと思いました。

なんだかんだ言ってもIXYって人気ですよねー。個人的にもIXYって多分10台は買っていますし、今年に入ってからも2台は買ってますから。

この「IXY 160」は、スリムで8倍ズームでお値段もかなりお安いようですし、最新の2000万画素でブランドはデジタルカメラでトップシェアをひた走っている「キヤノン」ですから。

クルマで言うなら、トヨタのアクアみたいなものかなー、なんて思ったりもしました。

余談ですが、ワタクシ、クルマのサイトも管理しています。このサイトとはぜんぜん別物のデザインですけど。

ついでに余談ながら、このあいだある駐車場に停まっているクルマを見たら、10台中7台がアクアでした。そのうち白アクアが5台も停まっていて、なんだかすごい人気だと思いましたっけ。

話題を戻します。「ベストセラー1位」は、ちょっとだけびっくりしましたが、よく考えると「想定内?」なんじゃないかなーと思ってしまいました。

でも、さすがにコレはないんじゃないかなというのが、もうひとつのびっくりしたことデス。

ixy160Shot

画像でお分かりでしょうか。カテゴリが「トイカメラ」なんですよ。

これって、ふたつの意味で意外でしたね。数年前ならいざ知らず現在でも「トイカメラ」がAmazonのカテゴリにあるということ。そして何といってもIXYなのに「トイカメラ」って・・・。

さすがにコレを見たら、開発された方は苦笑するしかないかなーと。もちろん、「IXY 160」は、フツーに「コンパクトデジタルカメラ」にあたると思いますよ。

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