本格的に写真を撮っている方なら、「RAWで撮影」したことがあると思います。RAWデータを現像してJPEGなどの写真データを作るのは、とても楽しい趣味かもしれません。

今回は、コンパクトカメラの中で、そうした「RAW撮影」ができるものまとめてご紹介します。

最近は「RAW記録」ができるデジタルカメラが増えてきましたので、サイズのコンパクトなデジタルカメラを中心にご紹介します。

つまり、いわゆる「ネオ一眼」などの大きなサイズについてはこの記事中では扱いません。また、防水カメラなどについても除外しています。

今回はコンパクトなモデルで、比較的発売が新しいものをピックアップしてまとめてみました。


キヤノンの1型コンパクトカメラの中で、最もコンパクトな「PowerShot G9 X Mark II」です。

・1.0型CMOS(裏面照射型)
・有効約2,010万画素
・レンズ 28-84mm相当(光学3倍ズーム) F2.0-F4.9
・98.0×57.9×31.3mm
・約206g(電池等含む)

1型という比較的大きなセンサーを搭載していて、F2.0という明るいレンズなので暗いところに強いデジカメです。

ズーム倍率は3倍なので、遠くの物の撮影には向かないかもしれませんが、室内での「RAW撮影」には適していると思います。ただ、現在は広角24mm相当からスタートのものが多いので、ちょっと規格の古さを感じます。

センサーサイズの割にはコンパクトかつ比較的軽量なので、持ち歩きにも不自由なく使えますね。

上の写真はシルバーモデルですが、他にブラックモデルもあります。

お値段は4万円台前半と2017年の発売直後からほとんど変わっていませんね。(2019-10)


キヤノンのコンパクトカメラの中でフラッグシップの「PowerShot G1 X Mark II」です。

・1.5型高感度CMOS
・有効約1,500万画素
・レンズ 24-120mm相当(光学5倍ズーム) F2.0-F3.9
・116.3×74.0×66.2mm
・約553g(電池等含む)

はい、一気にキヤノンのフラッグシップです。ただし、すでに新型が発売されていますので旧モデルです。

広角24mm相当から120mm相当は、キヤノンのLレンズにも同じ焦点距離のズームレンズがあり、とても使いやすい画角です。

センサーサイズは唯一無二の1.5型。最近はやりの1型の約2倍の面積があります。いわば、1型センサーのデジカメがAPS-Cセンサーの一眼レフとしたら、1.5型はフルサイズセンサー搭載の一眼レフといったところ。

しかも、画素数を1500万画素に抑えていますから高感度撮影に強い強い!

ハッキリ言って、並のデジタル一眼を超える実力でした。

レンズの明るさは、F2.0-F3.9ということで、こちらも立派。

センサーサイズはマイクロフォーサーズよりもほんの少し大きい程度なので、マイクロフォーサーズのミラーレスカメラに「F2.0スタート望遠端F3.9」のレンズをつけているようなもの。

コンデジなのに、EOSの外付けスピードライト(ストロボ)が装着可能だし、レンズフィルターも付けられる。さらに、リモートスイッチまでオプションで用意されています。

ただし、連写は約5.2枚/秒と、最新のミラーレスカメラよりも控えめなスペック。そして、外付けマイク端子はありません。

そういうことを考慮しても、現在の価格はかなり魅力的なので、ボディサイズは大きいのですがあえて取り上げてみました。現在のお値段、なんと3万円台の後半といったところです。(2019-10)


パナソニックのマイクロフォーサーズセンサー搭載、「DC-LX100M2」です。

・4/3型 高感度MOS センサー
・有効約1700万画素(4:3時)
・レンズ 24-75mm相当(光学3.1倍ズーム)
・約115.0×66.2mmx64.2mm
・約392g(電池等含む)

こちらも「中量級」かつ高価格ですが、あえて取り上げたモデルです。

というのも、スペックはかなーり高いし、評判も高いモデルだから。

【高スペック ポイント 1】 24-75mm F1.7-2.8のレンズ。

 デジタル一眼並のセンサーサイズでこれだけの高スペック。
 ふつうは、24-75mm F2.8通し くらいですよね。

【高スペック ポイント 2】  約276万ドット相当ファインダー。

【高スペック ポイント 3】  「4K動画」と秒間30コマ連写の「4Kフォト」

【高スペック ポイント 4】  「約11コマ/秒」の高速連写と高速・高精度な「空間認識オートフォーカス」

お値段は、10万円台といったところ。(2019-10)


広角24mmからの光学30倍ズーム、パナソニックのルミックス「TZ95」です。

・1/2.3型 高感度MOSセンサー
・有効2030万画素
・レンズ 24-720mm相当(光学30倍ズーム) F3.3-F6.4
・約112.0×68.841.6mm
・約328g(電池等含む)

コンパクトなのに、約233万ドット相当のファインダーと、180度チルト対応タッチパネル式モニターを搭載しています。

また、ワンボタンで広角に戻る「ズームバック機能」を搭載。望遠撮影時に対象物を見失ったときに便利です。

パナソニックのデジタルカメラなので、当然「4K動画」「4Kフォト」にも対応。

動画も静止画も、広角から望遠まで何でもドンと来い、自撮りもOK!という「何でもアリ」なカメラですね。

お値段は4万円台後半といったところ。(2019-10)


APS-Cセンサーを搭載した富士フイルムの「XF10」です。

・23.5mm×15.7mm(APS-Cサイズ) CMOSセンサー
・有効2424万画素
・レンズ 約28mm相当 F2.8
・112.5×64.4×41.0mm
・約278.9g(電池等含む)

約280gの軽量ボディに、APS-Cサイズセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラです。

他のメーカーもそうなのですが、APS-Cサイズ以上のセンサーを搭載したモデルは、ズームレンズではなく単焦点のレンズが採用されています。

この「XF10」もそうで、約28mm相当の焦点距離のレンズで、解放F値はF2.8です。

かなり玄人(くろうと)好みのデジタルカメラですが、画質はもちろん良好。

特に、単焦点レンズだけあって歪曲(わいきょく)がほとんど感じられない端正な写りは優秀です。

また、大型センサーを搭載しているだけあって、高感度撮影はISO6400までノイズが少なくクリアに撮れます。

ちょっと気になることは、オートフォーカスが合いにくい場面があるということ。なかなかピントが合わず、時間がかかってしまうことがあります。

でも、その気になる点を補うような機能が搭載されています。

それは、ピント距離を「2m」「5m」に固定できるスナップモードです。このモードだと、ピント合わせの時間がかからず、かなり速射生があがります。

もうひとつ、物足りない点は「連写性能」です。

連写速度は、「約6.0コマ/秒」と、この手のカメラとしては十分なスペックです。

ですが、その場合の連写枚数は、JPEGで約13コマ。これは、連写速度を「約3.0コマ/秒」にしても同じく、JPEGで約13コマ。これでは、「約6.0コマ/秒」で撮影すると、約2秒しか連写できません。

スナップ用途としては、あまり気なることではないかもしれませんが、もう少し連写が続いてほしいと思いました。

ただ、こちらも「裏ワザ」が使えます。

「XF10」は、15コマ/秒の4K動画撮影ができます。コマ数からいうと、パラパラ動画になってしまいそうですが、約800万画素の連写として考えると、かなりの性能です。

撮影時間も約30と十分なので、長時間の連写はこの機能を使って撮影するといいのかもしれませんね。

気になるお値段ですが、この手のカメラとしては破格値の4万円台です。(2019-10)

ディスコンとなった富士フイルムの「X70」は、APS-Cセンサーに28mm相当の単焦点レンズという似通ったスペックでしたが、お値段は倍くらいしました。

最大のライバルであろうリコーの「RICOH GR III」に至っては、同じくAPS-Cセンサーに28mm相当の単焦点レンズで、お値段は約10万円です。

もちろん機能や細かいスペックが違うので単純比較はできませんが、この「XF10」は、かなりお値打ち価格ですね。


ソニーの1型センサー搭載モデル「DSC-RX100」です。

・1.0型 CMOSセンサー
・有効約2020万画素
・レンズ 28-100mm相当(光学3.57倍ズーム) F1.8-4.9
・101.6×58.1×35.9mm
・約約240g(電池等含む)

ソニーの「DSC-RX100」シリーズは、初代のこの「DSC-RX100」から最新型の「DSC-RX100M7」まで、すべてRAW記録が可能です。

しかも初代から最新型まですべて併売されていて、現時点で製造中止となったものはありません。(2019-10)

画質は、ISO400までなら特別に差はないという印象で、レンズのF1.8(広角端)という明るさもあって、野外だけでなく室内でのスナップ撮影も良好な画質で撮影できます。

発売当時はかなり多画素だと感じた約2000万画素も、今となっては標準的ですね。

少々苦手なシーンは、実はマクロ撮影で、広角端から少しズームさせると、とたんに寄れなくなってしまいます。

また、高感度撮影は、「M2」以降のほうが良好な画質です。

それでも3万円台という価格は魅力的です。(2019-10)

ちなみに、「M2」以降はすべて5万円を超える実売価格。

最新型の「M7」だと、約15万円というデジタル一眼中級機と肩を並べる高価格ですから、4K動画撮影や外部マイク端子や可動式液晶モニターが必要ない人にとっては「初代」でも納得の買物になるかと思います。

もちろん、「M2」以降もRAW記録はできますし、お値段なりに性能は高くなっています。

というか、5万円以上のコンパクトカメラは総じてRAW記録が可能ですしね。

ただ、広角28mmが物足りなくて広角24mmが必要というときは、「M3」以降をオススメします。

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