長い間、更新をお休みしてしまいました。すみません。
しばらく大好きなデジカメの情報とはあまり関わっていなかった間にも、いろいろなニュースがあったようです。
それらの中で個人的に注目したコトが二つありました。
この「SIGMA dp0 Quattro」のことが、そのうちの一つです。
ニュースリリースより(SIGMA dp0 Quattro 発売日決定のお知らせ:シグマ)
株式会社シグマ(代表取締役社長:山木和人)は、新開発Foveon X3 ダイレクトイメージセンサー(ジェネレーションネーム“Quattro”)を搭載した高画質コンパクトデジタルカメラ「SIGMA dp0 Quattro」の発売日をご案内いたします。
SIGMA dp0 Quattro
発売日:2015年7月10日(金)
価格:オープン価格
JANコード:00-85126 93152-0
ということで、今年2月に発表された「SIGMA dp0 Quattro」が、7月10日に発売されることになりました。そして、ニュースリリースからリンクされている製品情報を見ると、かなり力の入ったデジタルカメラのようです。
ディストレーション・ゼロ。究極のdp、登場
というタイトルとともに、説明書きもかなり印象的です。
兆候画ながら歪曲収差は1%以下に。
徹底的に追い込んだ性能と、広角のdp1を上回る画角。
コンセプトをより先鋭化させた「最もdpらしいdp」の誕生です。
ここで、シグマの「dp」シリーズをご存じない方のために簡単に説明しますと、このシリーズは高性能な単焦点レンズとユニークなフォビオンイメージセンサーが特徴の高画質なコンパクトデジタルカメラです。
そして、今回の「SIGMA dp0 Quattro」は、21mm相当という超広角なレンズを搭載したモデル。単焦点レンズを搭載したコンデジは、これまでもシグマや他社から発売されていましたが、これだけの超広角モデルは久しぶりです。
※ずっと以前、コダックから2焦点モデル(切り替え式)が発売されていました。
出かける時刻が近付いているので続きは帰ってから書きます。
続き
この製品についての詳しい内容は、こちらをご覧下さい。のリンク先で、どんなデジカメなのかを確認してみました。
リンク先のページ下には、「dp1」「dp2」「dp3」(すべてQuattroモデル)との比較表があり、これはこれで興味深いものでした。
でも、一番興味深かったのは、ページ下のほうに掲載されていたレンズについての資料です。
レンズ構成図を確認してみると、FLDガラスが4枚も使ってあります。
FLDガラスというのは、あの「蛍石」と同等の性能を持つというガラスです。
現在、シグマ独自の特殊低分散ガラスは、ELD(Extraordinary Low Dispersion)ガラス、SLD(Special Low Dispersion) ガラス、FLD(“F” Low Dispersion)ガラスの3種類があります。特にFLDガラスは、分散性が極めて小さく、異常分散性が高い「蛍石」と同等の性能を持つ、透過率に優れた超低分散ガラスです。これらのガラスを効果的に使用、適切なパワー配置により、残存色収差を極限まで補正し、優れた描写性能を実現しています。
蛍石を使ったレンズの優秀さは、よく知られていて、たとえば「神レンズ」と呼ばれている「EF70-200 f4L IS」には蛍石レンズが「贅沢にも1枚」※使ってあります。
※以前のキャノン公式サイト説明文より。
参考サイト EF 70-200 F4L IS USM ~小三元コンプリート~
たった1枚使っただけで、あの写りは蛍石レンズのすごさなのか、キヤノンのレンズテクノロジーの優秀さなのかはわかりません。が、蛍石を4枚も使ったレンズがあれば、その描写のすばらしさは、ぜひ確認してみたくなります。
そして、今回の「SIGMA dp0 Quattro」には、-「蛍石」と同等の性能を持つ-とシグマが説明するFLDガラスが4枚も使ってあるのです。
ここで、少し話はそれますが、実は以前もシグマはFLDガラスが4枚も使ってあるレンズを発売しています。
そのレンズについて、田中希美男センセイがブログに書いてらっしゃいますので、興味のあるかたはどうぞ。
参考サイト 低分散ガラスレンズ14枚ぶんの効果、てか
さて、「SIGMA dp0 Quattro」のレンズの話に戻ります。
レンズ構成が贅沢な作りだということは、確認しました。
でも、果たしてそれがどんな性能につながるのか。
客観的な指標として、MTF曲線があります。
それで、今回使ってあるレンズの「MTFチャート」を見て吃驚!
波動光学的MTFのチャートですが、こんなMTF曲線のレンズって、ご存じですか?ほとんど天井付近に広がっています。
そして、こちらが幾何光学的MTFです。「天井に張り付く」というのは、こういう曲線のことなんだろうなー、と思ってしまいました。