相変わらず、デジカメには逆風の時代が続いています。
スマートフォンの普及とともに、デジカメ、特に低価格のものは売れないという状況のようです。
わざわざデジカメを買わなくても、スマホでいいよね、ということなのでしょう。
そうなると、スマホのカメラよりも高画質とか、望遠に強いとか、タフネスカメラとかそういったデジカメが求められる時代のようです。
そんな中、高倍率ズームの代表ともいうべき「ネオ一眼」はどうでしょうか。
一昨年、昨年に引き続き、今年も各社から販売されている「ネオ一眼」を取り上げてみたいと思います。
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PowerShot SX60 HS
キヤノンの「PowerShot SX60 HS」です。
発売は、2014年9月16日。
一昨年も昨年もご紹介したモデルですが、後継機はまだ発売されていませんから、最新モデルということになります。
主なスペック
・広角21mm-望遠1365mm相当 光学65倍ズーム
・解放F値 F3.4-6.5
・1/2.3型(裏面照射型)CMOS 有効約1610万画素
・モニター 3.0型 約92.2万ドット バリアングル液晶
・電子ファインダー 約92.2万ドット
・連射 通常:約6.4枚/秒
・大きさ 127.6×92.6×114.3mm
・重さ 約650g(電池等含む)
このモデルの大きな特長は、広角側が「21mm相当」ということがあげられます。
「ネオ一眼」は、望遠側だけでなく、広角側も「24mm相当」と広いズーム域を持っているモデルが多いのですが、それを越える広角で撮影できるモデルはごく少数です。
発売されて2年以上のモデルですが、未だにこれ以上の広角で撮影できるネオ一眼は、ほとんどありません。
ただ、パナソニックの「LUMIX DMC-FZ70」が「20mm相当」でしたが、その後継機「DC-FZ85」も同様に広角が「20mm相当」です。
液晶モニターはバリアングル式で、上下にのみスイングするチルト式と比べると、縦位置の撮影に便利です。
また、映像エンジンは、当時としては最新の「DIGIC 6」を搭載しており、キヤノンがこのモデルに力を入れて開発したことが想像できます。
特に大きな気になる点はないモデルなのですが、しいてあけげるなら解放F値が広角側でも3.4と、それほど明るくないこと。
ただ、F2.8とかを実現しようとすればズーム倍率を下げるか大きく重くなるかのトレードオフになると思うので、これはこれでいいのかもしれませんね。
現時点でのお値段は、4万円台半ばといったところで、一昨年とも昨年とも大きな変化はないようです。
現在の価格
Canon PowerShot SX60 HS(Amazon)
COOLPIX P900
昨年もご紹介しましたが、光学83倍ズームということで話題になった、2015年 3月19日に発売のニコン「COOLPIX P900」です。
いわゆる「ネオ一眼」のズーム倍率は、もはや50倍とか60倍ズームがあたりまえと行った状況ですが、さすがに83倍ズームというのはこの機種だけです。
ズームのすごさは、さまざまなYoutubeで紹介されていますが、その中の一つが下の動画(1:05)です。
ここまで遠くのものを写すことができるのかと、あ然としました。
主なスペック
・広角24-望遠2000mm相当 光学83倍ズーム
・解放F値 F2.8-6.5
・1/2.3型CMOS 有効約1605万画素
・モニター 3型 約92万ドット バリアングル液晶
・電子ファインダー 約92万ドット相当
・連射 約7コマ/秒 連続7コマまで
・大きさ 139.5×103.2×137.4mm
・重さ 約899g(電池等含む)
かなり大きくて重量のあるデジタルカメラですが、これだけの高倍率ズームに魅力を感じたなら、他に選択肢はないと思います。
お値段は、昨年とほぼ変わらず5万円台といったところ。
現在の価格
LUMIX DMC-FZ300
2015年9月17日に発売のパナソニックの「LUMIX DMC-FZ300」です。
主なスペック
・広角25mm-望遠600mm相当 光学24倍ズーム
・解放F値 全域F2.8
・1/2.3型MOS 有効1210万画素
・モニター 3.0型 約104万ドット
・電子ファインダー 約144万ドット
・連射 約12コマ/秒(AFS時) 約6コマ/秒(AFC時)
・大きさ 約131.6 x 91.5 x 117.1mm
・重さ 約691g(電池等含む)
上位機種LUMIX DMC-FZ1000と比べて
この機種、最大のライバルは同じパナソニックの「LUMIX DMC-FZ1000」ではないかと思います。
どちらも、4K動画の撮影に対応したモデルです。
しかし、かたや「1型センサー」そしてこちらは平凡な「1/2.3型」ということで、当然「LUMIX DMC-FZ1000」のほうが上位機種となっています。
ですが、FZ300のほうが上回っているところも幾つかあります。
LUMIX DMC-FZ300のアドバンテージ
・防塵・防滴設計
・より小型軽量
・タッチパネル液晶
・望遠側が400mm(FZ1000)に対して600mm(FZ300)ある
・F値が望遠側でF4(FZ1000)に対して全域F2.8(FZ300)と明るいレンズ
液晶モニターの画素数も、若干ですが(92万と104万)、FZ300のほうが上回っています。
画質については、明るいところだとさほど違いはないというのがネット上の評判。
そのためか、少なくとも発売から半年近くFZ1000よりもFZ300の方が価格が高いという現象が続いていました。
昨年の販売価格は5万円台の前半といったところでしたが、今年もそれくらいのようです。
前モデルのFZ200は、長いこと中古でも2万円台をキープしており、それは今年も続いています。
そういう意味では、長く価値が低下しにくいモデルのように思います。
現在の価格
LUMIX DMC-FZ1000
2014年7月17日に発売のパナソニック「LUMIX DMC-FZ1000」です。
主なスペック
・広角24mm-望遠400mm相当 光学16倍ズーム
・解放F値 F2.8-4.0
・1型MOS 有効2010万画素
・モニター 3.0型 約92万ドット バリアングル液晶
・電子ファインダー 約236万ドット
・連射 約12コマ/秒(AFS時) 約7コマ/秒(AFC時)
・大きさ 約136.8 x 98.5 x 130.7mm
・重さ 約831g(電池等含む)
すでに後継機種が発売されていますから、少々旧いモデルとなりますが、今も新型と併売されています。
LUMIX DMC-FZ1000の特長
特長としては、大型の1型センサーを搭載し、大きなボケと良好な高感度画質を実現していること。
望遠時の解放F値がさほど暗くない4.0ということもあって、体育館などの室内撮りにも強いモデルです。
ただ、大型センサー搭載の機種は他のメーカーのものもそうなのですが、ズーム倍率は控えめ。
光学16倍ズームというのは、用途によってはもう少しズームできれば、と思うことがあるかもしれません。
また、このモデルの大きな特長としては、4K(3840×2160)動画撮影に対応していること。
レンズ一体型デジタルカメラとしては世界で初めて対応したモデルです。
ということで、もちろん4Kフォトで、一瞬の動きにも対応できますが連射性能もなかなかのもの。
パナソニックのこうしたモデルは、総じて動作が軽快です。
すぐにピントが合うことに加え、連射後に再び連射するときも待たされ感を感じませんでした。
いわゆる「サクサク撮影」ができるモデルです。
LUMIX DMC-FZ1000の画質と価格
画質は、もっと大型のセンサーを搭載したミラーレスやデジタル一眼レフには及びませんが、ピクセル等倍でなければほとんど違いを感じないくらいです。
むしろ、露出バランスやオートホワイトバランスが良好で、全体としてはレタッチなしで「使える」画質という印象でした。
価格については、昨年、次のように書きました。
現在の価格は、5万円台の前半といったところ。
その実力からすると、ずいぶんお買い得なモデルだと思います。
今ふりかえっても、あの当時はとてもお買い得な価格だったと思います。
現在は、中古でも5万円台。
そして、新品だと8万円台に販売価格が上昇してしまいました。
現在の価格
DSC-RX10M2
2015年8月7日に発売された、ソニーの「DSC-RX10M2」です。
主なスペック
・広角24mm-望遠200mm相当 光学8.3倍ズーム
・解放F値 全域F2.8
・1.0型CMOS 有効2020万画素
・モニター 3.0型 約123万ドット チルト式液晶
・電子ファインダー 約236万ドット
・連射 最高約14コマ/秒(速度優先連続撮影時)
・大きさ 約129.0 x 88.1 x 102.2mm
・重さ 約813g(電池等含む)
すでに後継機種が発売されていますから、少々旧いモデルとなりますが、今も新型と併売されています。
パナソニック「LUMIX DMC-FZ1000」と比べて
センサーサイズが同じ1型の、パナソニック「LUMIX DMC-FZ1000」と迷っている方も、いらっしゃるかもしれませんね。
ただし、パナソニック「LUMIX DMC-FZ1000」は光学16倍ズーム、ソニーの「DSC-RX10M2」は光学8.3倍ズームとなっています。
このスペックだけだと、ズームが半分くらいかと思われるかもしれませんね。
でも、これがレンズの明るさとなると逆転し、パナソニック「LUMIX DMC-FZ1000」は望遠側ではF4.0とあまり明るくないのに対して、ソニーの「DSC-RX10M2」は全域でF2.8という明るさです。
また、重さはどちらも800g台の前半なので、あまり違いはありません。
ただ、動画撮影において4K動画が必要ならば、対応しているのはパナソニック「LUMIX DMC-FZ1000」になります。
現在の価格
COOLPIX B700
2016年10月14日に発売された、ニコンの「COOLPIX B700」です。
主なスペック
・広角24mm-望遠1440mm相当 光学60倍ズーム
・解放F値 F3.3-6.5
・1/2.3型CMOS 有効約2029万画素
・モニター 3.0型 約92万ドット バリアングル液晶
・電子ファインダー 約92万ドット
・連射 約5コマ/秒で約5コマ
・大きさ 約125.0×85.0×106.5mm
・重さ 約570g(電池等含む)
主な特長としては、光学60倍以上のコンパクトデジタルカメラにおいてクラス世界最小・最軽量ボディーであること。
手ブレ補正効果5.0段のデュアル検知光学VRを搭載。
また、静止画を切り出すこともできる4K UHD動画撮影機能を搭載しています。
現時点でのお値段は、4万円台といったところ。
現在の価格
COOLPIX B500
2016年5月27日に発売された、ニコンの「COOLPIX B500」です。
主なスペック
・広角22.5mmm-望遠900相当 光学40倍ズーム
・解放F値 F3-6.5
・1/2.3型CMOS 有効1602万画素
・モニター 3.0型 約92万ドット チルト式
・電子ファインダー なし
・連射 約9コマ/秒で約7コマ
・大きさ 約113.5×78.3×94.9mm
・重さ 約542g(電池等含む)
EVF(電子ファインダー)のないモデル
液晶ビューファインダーのないモデルですが、そのぶん、小型軽量というメリットもあります。
この手のデジタルカメラは、人によって使い勝手が異なるかもしれません。
ネオ一眼らしく、ファインダーを使って撮影するという方なら、EVFがないことに違和感を感じるかもしれません。
一方、液晶モニターを見て撮影するというスタイルなら、なんか問題もございません。
個人的には「ネオ一眼」であっても、ほとんどの場合は液晶モニターを使って撮影しているので、特に不都合はないように思います。
主な特長など
このモデルの大きな特長は、2つあります。
ひとつは、今では珍しくなった単三電池が使えるということで、外出時でも容易に電池が入手できます。
しかも、かなりの省エネモデルです。
アルカリ乾電池(4本)でも、約600コマ撮れるというのは、聞いたことのないくらい長寿命。
さらに、リチウム電池を使ったなら、約1240コマも撮れるという性能です。
そして、もうひとつの大きな特長は、広角側が22.5mm相当で撮影できるということ。
24mmスタートのモデルと比べて、1.5mm相当の広角です。
わずかな差のように思われるかもしれませんが、広角側の1.5mmは、けっこう違います。
細かな解説など
手ぶれ補正は、CIPA規格準拠で補正効果3.0段のレンズシフト式手ブレ補正(VR)機能を搭載。
望遠撮影のときにもぶれにくくて、便利だと思います。
また、ズーム倍率は40倍と、今となってはひかえめなスペックですが、5年前にはこれくらいが最高レベルの性能でした。
小中学校の運動会などでは、十分な望遠性能だと思います。
むしろ気になるのは、連写性能で、最高で秒9コマというのは立派ですが、7コマまでというのでは1秒間も連写が続きません。
100m走などで、ゴールを撮るなら、もう少し連写枚数が多いと便利だと思います。
動画に関しては、フルハイビジョンで30pまたは、60iに対応しているので、特に問題はないと思います。
外部マイク端子は装備されていませんが、ステレオ音声で録画可能。
液晶モニターは、約92万ドットということで、低価格の割にしっかり作られているという印象です。
現時点でのお値段は、2万円台といったところ。
現在の価格
DSC-RX10M3
2016年5月20日に発売された、ソニーの「DSC-RX10M3」です。
主なスペック
・広角24mm-望遠600mm相当 光学25倍ズーム
・解放F値 F2.4-4.0
・1.0型CMOS 約2010万画素
・モニター 3.0型 約123万ドット チルト式液晶
・電子ファインダー 約236万ドット
・連射 最高約14コマ/秒(速度優先連続撮影時)
・大きさ 132.5 x 94.0 x 127.4mm
・重さ 約1095g(電池等含む)
かなり大きく、重いモデルですが、それだけレンズには力が入っています。
前モデルの「M2」のほうは、光学8.3倍でしたが、今度は25倍ズームでなおかつ望遠端でもF4.0という明るさ。
「8枚のEDガラスを採用」というだけあって、写りはシャープです。
また、ネオ一眼らしく、静音性能にも優れていて、シャッター音を消音するサイレント撮影が可能。
動画時の手振れ補正も強力で、最大4.5段階分です。
ただし、現在のお値段は「M2」よりもさらに高価ですし、重さも1kgを超えるなど、いろいろヘビーなモデルなのかもしれません。