カメラ記者クラブ(1963年9月発足、2012年4月現在11誌が加盟)主催のカメラグランプリ大賞などが決まりました。

カメラグランプリ2012 大賞
デジタル一眼レフカメラ、ニコン「D800」(開発メーカー:株式会社ニコン)

カメラグランプリ2012 レンズ賞

キヤノン「EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM」(開発メーカー:キヤノン株式会社)

カメラグランプリ2012 あなたが選ぶベストカメラ賞
ニコン「D800」(開発メーカー:株式会社ニコン)
この賞は、2008年にカメラグランプリが25周年を迎えたのを記念して制定された、一般ユーザーの投票によって選考されるものです。

カメラグランプリ2012 カメラ記者クラブ賞

ソニー「NEX-7」(開発メーカー:ソニー株式会社)とオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」(開発メーカー:オリンパスイメージング株式会社)

ちなみに、初めてデジタルカメラが大賞(2007までは「カメラグランプリ」)に選ばれたのは2002年度のEOS-1Dが最初です。その後は連続してデジタルカメラが受賞し続けています。

カメラグランプリ大賞
年度 受賞機種 選考理由
2012 D800

ニコン

ニコンD800は、世界最高となる有効画素数3630万画素のセンサーを搭載したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ。
画像処理エンジンに 「EXPEED 3」を採用して画像の高画質化を実現するとともに、データ処理の高速化も実現している。
低輝度環境下でのフォーカス性能を高めた51点のAFシステムの搭 載に加え、視野率100%の光学ファインダーや3.2インチの高精細液晶モニター、過酷な条件下での使用に耐える防塵防滴性能など多数の機能を搭載してい る。
2011 645D

ペンタックス

ペンタックス645Dは、有効画素数約4,000万画素の大型CCDセンサーを搭載したペンタックス初の中判デジタルカメラ。
画像処理エンジンに、高速で処理を行う「PRIMEⅡ」を採用し、色ノイズと低輝度ノイズを除去するノイズリダクション機能、 ダイナミックレンジを拡大して白とびや黒つぶれを抑えるD-Range設定、ディストーション補正・倍率色収差補正など、さまざまな機能を実現している。
-10℃の低温下でも作動する防塵防滴仕様のボディには、マグネシウム合金やアルミダイキャスト製シャシーを使用し、高い堅牢性を備える。
2010

PEN E-P1

オリンパス

新規格のマイクロフォーサーズシステムやミラーレスボディの採用により、小型軽量化と高画質化を両 立させたPEN E-P1。有効画素数1,230万画素、ISO6400までの高感度撮影、ハイビジョン動画撮影機 能などのハイスペックな基本性能に加え、アートフィルターやライブコントロールなど独自の機能を数多 く搭載し、小型のボディに「撮る」喜びや遊び心を満載したカメラといえる。
「大きく、重い」といった従来のデジタル一眼カメラのイメージを払拭したことで、カメラ愛好家のみなら ず、特に若い世代を中心とした幅広い年齢層に対してその魅力を広くアピールすることに成功した。
2009 EOS 5D MarkII

キヤノン

デジタルカメラとしては異例のロングセラーとなったミドルクラスデジタル一眼レフ「EOS 5D」の発売 から早3年。ファンの熱い期待に応えて2008年11月に登場した「EOS 5D MarkⅡ」。
新開発の有効2110 万画素フルサイズCMOSセンサー、新次元映像処理エンジンDIGIC4、洗練されたライブビュー機能、 大型3.0型高精細液晶モニターなど、単なる後継機としてではなく数々の先進的な高性能、高機能を 備え、画質や使い勝手などあらゆるものを進化させた。
EOSシリーズでは初めてフルハイビジョン動画 撮影機能を搭載し、静止画、動画ともに高い描写性と、驚異的なコストパフォーマンスを実現。まさにフ ルサイズ時代の幕開けともいえる2008年を最も象徴するデジタル一眼レフカメラである。
2008 D3

ニコン

ニコンFXフォーマットのフラッグシップモデルとして、新開発の有効画素数1,210万画素CMOSセンサーをはじめ、常用可能なISO6400の高感 度、高密度51点AFなど、数々の革新的な高性能・高機能を搭載。
ラインナップの頂点に立つカメラにふさわしい性能と操作性を備えた。
2007 K10D

ペンタックス

1020 万画素CCD 搭載による高画質、幅広いレンズに対応するカメラ本体内での手ブレ補正機能SR(Shake Reduction=シェイクリダクション)、ゴミの写りこみを抑えるDR(Dust Removal=ダストリムーバル)、さまざまな撮影条件でも安心して使える防塵、防滴 構造の堅牢なボディ、さらに使用者の撮影意図に応える多彩かつ独自の露出モード、撮影機能を多数装備しながら、K10D は多くのユーザーが購入しやすいリーズナブルな価格を実現した。
特に手ブレ補正機能SR(Shake Reduction)については、K マウント系レンズはもちろん、アダプターを介したM42 マウント時代のレンズに至るまで、装着した全レンズで約2.5~4 段分の補正効果が得られる優れたもの。
また、ペンタックス独自となるハイパープログラム、ハイパーマニュアル、感度優先(Sv)モード、シャッター速度& 絞り優先(TAv)モードといった独創的な撮影モードによって、ユーザーの撮影目的に的確に応えられるのも大きな魅力といえる。
2006 D200

ニコン

プロだけではなくハイアマチュアを主要なターゲット にしたデジタル一眼レフながら、APS-Cサイズフォーマット初の10.2メガピクセル高画素CCDを採用。
約0.15秒の高速起動や約50msのレリー ズタイムラグ、5コマ/秒での連続撮影最大54コマの高速性能(画質モードNORMAL・画質サイズLの場合)、マルチCAM1000AFモジュールによ る使い分け可能な高精度11点測距および7点測距ワイドエリアAFシステムなど、上位機種を上回るほどの高機能を搭載した。
また、デジタル一眼 レフカメラとしての新機軸だけではなく、防塵・防滴構造採用のマグネシウムボディや耐久10万回のシャッター、視野率約95%で約0.94倍のガラスプリ ズム採用高倍率ファインダー、見やすい広視野角2.5型背面液晶やクラス最大の大型上面表示パネルの採用、残量・劣化度が確認できる大容量リチウムイオン バッテリーの使用など、カメラとしての完成度の高さを持ち、性能、価格、デザインなどあらゆる点で、非常にまとまりのよいカメラといえる。
2005 α-7DIGITAL

コニカミノルタ

コニカミノルタとして初のデジタル一眼レフでありな がら、ボディ内蔵の手ぶれ補正アンチシェイクを搭載し、すべてのαレンズで手ブレ補正を実現した技術が高く評価された。
この技術はAE、AFに次ぐ、写真 撮影における画期的な技術だといえる。また、高レスポンスと高画質を実現した新画像処理エンジンSUPHEED?を搭載し、性能、価格、デザインなど、す べてが高次元でバランスのとれたカメラである。初心者にもわかりやすい大型液晶による操作メニューなど、ユーザーのことを考え抜いたデジタル一眼レフカメ ラだといえる。

(注)「SUPHEED?」は原文のママ

2004 D70

ニコン

普及価格帯のデジタル一眼レフでありながら、上級機 であるD100をも凌ぐ機能を搭載し、性能、価格、サイズなど、すべてが高次元でバランスのとれたカメラである点が高く評価された。
性能的には高速起動と 多枚数連続撮影など、これまでのデジタルカメラの弱点を克服。35ミリフィルム一眼レフと同等レベルのレスポンスを実現し、実用性、快適性を向上させた点 は特筆すべきであろう。
また初心者にもわかりやすい操作メニューなど、ユーザーの間口を広げ、デジタル一眼レフカメラの新しい流れを作り出したといえる。

2003 EOS-1Ds

キヤノン

キヤノンのデジタル一眼レフカメラのフラッグシップ機、EOS-1Dの発売から1年を待たずして、大型単板CMOSセンサー(35.8×23.8mm)を独自に開発、35mmフルサイズ、1,000万画素超という大きなハードルを越えた功績は大きい。
また、プロも含めて実用に足りるこの高画質を、フィルム一眼レフカメラとまったく違和感のない画角で実現し、さらにデジタル化によってスポイルされたとこ ろを少しも感じさせない完成度の高さが評価できる。デジタル一眼レフカメラ時代の本格的な訪れを内外に示したとも言えよう。
2002 EOS-1D

キヤノン

キヤノンのフラッグシップ機であるEOS-1vの 基本性能をそのままに、フィルムカメラに劣らない撮影感覚とスピードを備え、デジタルカメラにつきものであった撮影時のストレスを解消した功績は大きい。
また、卓越した信頼性と耐久性を持ち、従来からの超音波モーター内蔵レンズや手ぶれ補正機能搭載レンズ、DOレンズなど充実したレンズ群や豊富なシステム アクセサリーがそのまま使えるところが評価できる。

こうして過去10年の歩みを俯瞰してみると、なるほどと思う機種が続いています。

2002年度のEOS-1Dは、現代でも通用するレスポンスの良さと堅牢性があります。連射速度も8コマ/秒ですから、最新のEOS-7Dと比べても遜色はありません。

2003年度のEOS-1Dsは、それなりの価格と卓越したボディ性能ででフルサイズセンサーを搭載したカメラです。画素数の約1000万画素も、ポスターなど大きく引き伸ばすのでなければ、ほとんどの場合に事足りるスペックですね。

2004年度のD70は、約3コマ/秒でメモリーいっぱいまで連射可能なことなど、部分的には上級機を上回る性能を有していました。

2005年度のα-7DIGITALは、何といっても「ボディ内手ぶれ補正機能」でしょうね。その後、多くの機種で「ボティ内手ぶれ補正」は採用され続けています。

2006年度のD200は、特に際だった性能やエポックメイキングな機能搭載は無かったように思います。ただ、ファインダーの性能や、5コマ/秒など多くの面で優れた性能を有したバランスの良いモデルという印象でした。

2007年度のK10Dについては、説明は不用かな?世界各地で賞を総なめしたという印象を持っています。「選考理由」に記載されている「ゴミの写りこみを抑えるDR」については、かなり期待はずれでしたが、画質の良さはピカイチでしたね。実は、風景撮影などで未だに愛用しています。また、防塵防滴についても優れた機種といえます。

2008年度のD3は、やはり「高感度性能」でしょう!今もってこの機種を明らかに越えるデジタルカメラはないのでは?などと思ってしまいますねー。もちろん堅牢性などボディ性能も卓越したものがあります。

2009年度のEOS-5DMarkⅡは、「高画素・高感度性能・動画撮影性能」を高い次元で実現したモデルだと思います。現在でも十分な性能ではないでしょうか。

2010年度のPEN E-P1は、今までにないベクトルのデジタルカメラですね。スペックだけではないカメラの「趣味性」が感じられ、大いに話題となったモデルです。

2011年度の645Dは、中判デジタルカメラとしてアマチュアにも(なんとか)手が届く価格のデジタルカメラですね。個人的には高価すぎて買うことは難しいのですけど。約4000万画素という圧巻のスペックです。

2012年度のD800は、3600万画素というスペックが秀でていますね。デジタルバックや中版デジタルカメラを除けば、画質の良さは向かうところ敵ナシ?

さて、余談ですけど、先日ある年輩の方とお話ししました。イベント会場で、隣に来られて「これを一番前で撮りたかったんです」とおっしゃっていました。カメラを見ると、なんと「D800」です。発売されたばかりなのにすごいなぁと思ってちょっと質問してみると、意外なことに付けているレンズはタムロンの「18-270」でした。その方曰く「キットレンズは買わなかったんですよ。DX用のレンズを付けてます」

「フルサイズにAPS-C用のレンズって使えるのかな?」と、思いましたけど、ニコンの場合はクロップ撮影ができるんでした。

その方は、自分のお目当ての団体が終わると、満面の笑顔で「いやー、大変お世話になりました」と後ろにさがっていかれました。満足する写真が撮れているといいですね。

外部サイト カメラ記者クラブ

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