キヤノンは、静止画・動画共にAF性能を大幅に進化させた、エントリーユーザー向けデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X6i」を、2012年6月下旬より発売します。
エントリー向けデジタル一眼レフカメラ“EOS Kiss X6i”を発売
静止画・動画共にAF性能が大幅に進化(キヤノン ニュースリリース)
「EOS Kiss X6i」は、従来機種「EOS Kiss X5」(2011年3月発売)の後継機種で、静止画・動画共にAF性能が飛躍的に向上していることに加え、高速連写性能や画質も大きく進化しています。
発売日 6月下旬
主な特長
・静止画・動画共にAF性能を大幅に進化させる新AFシステム
ファインダー撮影時には、全9点でクロス測距が可能なAFセンサー
コントラストAFと位相差AFを併用した新開発の「ハイブリッドCMOS AF」
・最高約5コマ/秒の高速連写
・常用ISO感度が最高ISO12800※(拡張ISO25600)
・バリアングルタッチパネル液晶モニターを搭載
コメント
「EOS Kiss」は、キヤノンの普及機であるとともに、一眼レフの歴史的ベストセラーです。フィルム時代から連綿と続く伝統を持ちつつ、デジタル一眼レフとなっても、売り上げナンバーワンということが長く続いているモデルです。現行の「EOS KISS X5」も、モデル末期にもかかわらず未だにトップセールスを続けています。
それだけに、この「EOS Kiss X6i」はキヤノンとしてもかなり力の入った新製品として開発したモデルだと思います。
改良点は、大きく2つあげられると思います。
一つは、連射速度の向上です。他社のデジタル一眼レフが、エントリーモデルといえども軒並み5コマ/秒以上のスペックとなりつつあるのに、3.7コマ/秒というのは、やはり少々見劣りする感じでした。実際の撮影でも、風景やポートレイト撮影なら何ら問題はないのですが、スポーツ撮りや乗り物などを撮るときは力不足は否めませんでした。
これが、今回5コマ/秒と向上したことで、ようやく現代の一眼レフとして必要な性能を満たしたのではないかと思います。(ただし、スポーツ撮りなどでは、もう少し連射速度は速いほうが望ましいとは思います)
もう一つは、動画撮影やライブビュー撮影時のAF性能の向上です。ライブビュー撮影時に位相差AFを利用するのは、PanasonicやSONYなどでも以前から採用されていましたが、この「EOS Kiss X6i」では次のような方式で取り入れています。
新開発ハイブリッドCMOS AFは、撮像面(CMOSセンサー)に位相差AF用
の画素を組み込むことで、ライブビュー撮影や動画撮影におけるオートフォー
カスの高速化を実現。位置予測にも優れている位相差AFでピント近くまで
レンズをすばやく駆動させ、最後はコントラストAFでピントを高精度に合わせ
ます(キヤノンの公式サイトより)
また、ピントの精度自体も「オールクロス9点AFセンサーの採用」で向上していると思います。
あとは、「タッチパネル」の採用と、内蔵マイクが「ステレオ」になったことでしょうか。もちろん、細かな改良点は、他にも多々あると思います。
ただ、一番期待していたことは「DIGIC5」の採用による高感度撮影時の画質向上なのですが、今のところ未知数です。
上のリンクのスペシャルサイトには、「ノイズ」と「手ぶれ」を抑えてキレイな写真、というコーナーがあって従来機種との比較画像が載っています。
従来機種は、「2009年登場」ということですから、「EOS KISS X3」ですね。ここで、「なぜ、2世代も前の機種との比較をするの?」という疑問がわいてくると思います。もしかして、「KISS X5」とは明確な差がつかなかったのでしょうか?
ということは、もしかして「KISS X4」とも、それほど差がないとか?
そして、撮影された画像をクリックして拡大してみると、「X6i」の方は確かにノイズが少ないようですが、同時に画像の甘さも感じました。実際の画像については、上のリンクをクリックして、ご自身でお確かめください。
いろいろ書きましたが、それでも「X6i」は待ちに待ったモデルですし、連射速度とAF性能の向上は非常に魅力があります。発売後しばらくして価格がこなれてきたら、購入しようと思っているモデルです。
公式サイト EOS Kiss X6i
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