2年くらい前に、「スリムで20倍ズーム」といったコンパクトカメラが流行りました。
当時は、ネオ一眼を除けば「コンデジのフラッグシップ」といったイメージで売れていたそうで、「どうせなら一番良い物を」と買って行かれる方が多かったとか。
その影響は今でも続いていて、「スリム・高倍率」のデジタルカメラは人気です。
さて、今回はそういったデジカメの中でも、ひときわコンパクトな2台を比べてみました。
機種名 | DSC-WX300 | DMC-TZ40 |
センサー | 1/2.3型 CMOS | 1/2.33型 MOS |
1820万画素 | 1810万画素 | |
感度(ISO) | 100-3200 (条件付きなら-12800) | 100-6400 |
レンズ(換算) | 25-500mm | 24-480mm |
F3.5-6.5 | F3.3-6.4 | |
液晶モニター | 3型 46万ドット | 3型 92万ドット タッチパネル液晶 |
連射(1秒間) | 約10枚/秒(最大10枚まで) | メカシャッター:約10コマ/秒(最大6コマ) 電子シャッター:約60コマ秒/秒 など |
動画記録 | フルHD(AVCHD 60i 約24Mbps) ステレオ録音 |
フルHD(AVCHD 60P 約28Mbps) ステレオ録音 |
内臓メモリー | 約48MB | 約12MB |
撮影可能枚数 | 約500枚 | 約300枚 |
大きさ | 96.0 x 54.9 x 25.7mm | 約108.3 x 58.9 x 27.7mm |
重さ | 約166g(バッテリー等含む) | 約198g(バッテリー等含む) |
そのほか | Wi-Fi® | Wi-Fi® GPS機能 |
ちょっと意外な結果になりましたが、ひとつひとつ項目をみていきましょう。
センサー
「DSC-WX300」は、コンパクトの定番「1/2.3型」、「DMC-TZ40」もほぼ同じ大きさの「1/2.33型」です。
画素数は、「DSC-WX300」はソニーらしく1820万画素、「DMC-TZ40」もほぼ同じ1810万画素です。
あれっ、「DMC-TZ40」はこんなに多画素だったの?
パナソニックは、ネオ一眼の「FZ150」を出したときに、「1400万画素→1200万画素」に抑えて高感度画質などを改善したと思います。そういったことから考えて、パナソニックは「多画素」から方針変更したと思ってたのに、早とちりでしたね。
たぶん、「激戦区」のこのクラスだと、分かりやすい「高スペック」が必要なんでしょう。ただ、ハッキリと書くといけないのかもしれませんけど、このスペックってレンズ性能が伴ってますか?
高感度性能は、どちらも似たようなものだと画像を見て思いました。低感度(ISO100とか)の画質がシャキッとしてないわりに、高感度(ISO1600とか)は悪くないと感じました。(個人的な感想デス)
レンズ
似たようなスペックで、微妙に「広角に強い」パナソニックの「DMC-TZ40」の方が好みかな。でも、実際はそれほど差は感じないでしょうし、望遠側のほうは、それこそ比べてみてもよく分からないかも。
「レンズの明るさ」も、「DMC-TZ40」の方が優れているようだけど、その差は微妙です。実際の撮影で、シャッター速度に差が出るのかと聞かれると、どうかなあ。
液晶モニター
これはハッキリと「DMC-TZ40」の方が高スペックですね。しかも、「DSC-WX300」の方は明るいところでの視認性に課題があるといったレビューもありました。詳しくは、次の記事でご確認ください。
関連記事 DSC-WX300 レビュー集(SONY)※日経トレンディネットのレビュー
連射速度
連射速度そのものは、どちらも「10枚/秒」です。ただし、撮れる最大コマ数に違いがあったり、電子シャツターだともっと速い連射が可能だったりするので一概にどちらがとはいいにくいところ。
あえていうなら、最大撮影枚数が多い「DSC-WX300」の方が使い勝手はいいかもしれません。
ただし、「DMC-TZ40」の電子シャッター「60コマ/秒」も、「ジャンプの瞬間を撮る」といった用途には便利かもしれませんね。
動画記録
似たようなスペックですが、このクラスのデジカメはビデオカメラ代わりに使われることも多いようなので、詳しいスペックを載せてみました。
どちらも、フルハイビジョンでステレオ録音が可能です。
画像は「DSC-WX300」は60コマのインターレースで、「DMC-TZ40」は60コマのプログレッシブでの記録が可能です。
レンズ性能とか手ぶれ補正の性能にもよりますが、たぶん「DMC-TZ40」のほうがなめらかな動画が撮れると思います。パナソニックのこのシリーズは、録音の音質も良好なので、動画撮影には向いていると思います。
ちなみに、個人的には「TZ」シリーズを何台も使っていて、「TZ7」以降のモデルについてはその動画性能に満足しています。
内蔵メモリー
これがあると「イザ」というときに役に立ったりしますね。もちろん「DSC-WX300」の方が高スペックです。
撮影可能枚数
「DSC-WX300」の「約500枚」には驚きました。あれだけコンパクトなボディサイズで、この数値はすごい!バッテリー切れを気にせず、どんどん撮れますね。
大きさ・重さ
「DSC-WX300」の大きさを見ると、「これがホントに20倍ズーム?」と思ってしまいました。こちらも驚きの性能です。
そのほか
どちらも「Wi-Fi®」機能は搭載していますが、「GPS機能」となると「DMC-TZ40」の方だけ。実は、この両方の機能があるコンパクトなモデルって、あまりないのが現状です。このクラスのカメラで、両方必要な方にとっては「DMC-TZ40」が唯一の選択肢となるかもしれませんね。
なお、スペックというよりも機能の方なのですが、「モードダイヤル」の違いがあります。
「DMC-TZ40」のほうは、一般的な「A・S・M」のモードがありますが、「DSC-WX300」のほうは基本的に「オート」で撮るカメラのようですね。
詳しくは、次のリンク先記事がわかりやすいのでご覧になってください。実は、公式サイトではイマイチわかりにくい部分でした。
WIFEの誕生日にデジカメを!SONY DSC-WX300(徒然草紙)
参考 DMC-TZ40各部名称 DSC-WX300各部名称
※公式サイトにリンクしています。
結論
気軽に高倍率ズームの効果を楽しむなら「DSC-WX300」(SONY)がコンパクトなボディで向いていると思います。
SONY Cyber-shot DSC-WX300
シャツタースピードを変えてみたり、花火撮影をマニュアルで行ったりといった用途には「DMC-TZ40」かな。あと、動画撮影も「DMC-TZ40」の方が向いていると思います。
Panasonic DMC-TZ40
関連記事
「PowerShot SX280 HS」と「DMC-TZ40」